平成22年第2回定例会。質問事項。20100723。 2010/07/23
【質 問】 @教育行政について 2学期制について 授業内容について いじめ・不登校について A福祉行政について 独居老人対策について B地域自治のまちづくりについて 自治振興会と町内会の関連について
@教育行政について 鳴門市では、平成17年度から、市内の全幼・小・中に2学期制を導入しました。導入の方針として 「教育活動全体にゆとりをもたせ、教師と子どもがしっかりと向き合い、学校生活における満足感が得られるように、授業時数の確保や特色ある学校づくりの観点から」 であります。 その後、5年が経過しました。現在、どのような「効果」があり、また、どのような「課題」があるのでしょうか、質問します。 そしてまた、2学期制について、現在でも多くの保護者の方々から、元の3学期制に戻したらどうか、とのご意見をお聞きしますが、その方向性はあるのか、どうか。質問します。
次に、「特色ある学校づくり」として、「ゆとり」の中で「生きる力」を育む教育、すなわち、「児童や生徒が、自分から課題を発見し、自分で考え、判断し、主体的に課題を解決していくとともに、人間性豊かな子どもの育成に努めている」としていますが、この「ゆとり」教育が、見直されています。 すなわち、算数の台形の面積を求める公式を教えなかったり、円周率「3.141592…」を「約3」として、簡略化・簡素化したりしていましたが、学力が低下してきて、やはり、基本的な学力を付けなくてはならない、との反省のもと、新たな授業体系が進められています。 ここで質問ですが、「ゆとり教育」のもとで、どのように学力が低下してきたのでしょうか。そして、どのような反省に立って、どのような学力向上策を進めていこうとしているのでしょうか。
次に、児童・生徒たちにとって、また、保護者にとって、一番深刻な問題は、「いじめ・不登校」の問題であります。 幼稚園・小学校・中学校、そして、高等学校での、現在の状況と、どのような対策をとっているのか、質問します。 そしてまた、「ひきこもり」の子どもたちの状況も、どのようになっているのか、質問します。
A福祉行政について 総務省統計局の「国勢調査報告」によりますと、日本全体で、核家族、いわゆる夫婦と子どもの家族の割合は、昭和35年では、53%だったのが、平成17年には、57%となっていまして、統計的には、核家族世帯の割合の変化は少ないのですが、一方、単独世帯、1人暮らしの方は、昭和35年、日本全体の総世帯数が、2223万世帯のうち、一人暮らしの世帯が358万世帯で、16%でしたが、それが、2005年、平成17年には、総世帯数4906万世帯のうち、1人暮らしの世帯が1446世帯、29%となっています。 急激に、1人暮らしの方が増えています。 ところで、「無縁社会」、この言葉をお聞きになったことがありますか。「無縁社会」、「縁のない社会」です。 この1月末に、NHKが、NHKスペシャルで「無縁社会」と題した番組を放送しました。 放送内容を紹介しますと、日本の社会で機能していた「地縁、血縁、社縁(会社など、仕事での縁)」が薄くなってきていて、ご近所や会社、親族など、お互いが相互に助け合っていた、いわゆる「お付き合い」が、希薄になってきている、というのです。 その結果、誰にも見取られずに亡くなっていく人が増えていて、「身元不明の自殺と見られる死者」や、「行き倒れ死」という、「無縁死」が年間に3万2千件にもなり、現代日本社会は、深刻な「無縁社会」に突入している、というのです。 平成18年の東京都港区社会福祉協議会の「港区におけるひとり暮らし高齢者の生活実態と社会的孤立に関する調査報告書」では、「緊急時に来てくれる人はいますか」との質問に、78.4%の人が「いる」と答えたのに対して、「いない」と答えた人が、15.9%もいたのです。 これだけ、日本の都会では、深刻な社会問題となっています。
鳴門市では、そこまで「無縁」の状況が広がってはいないと思われますが、どうでしょうか。 市長を中心にして、生活・福祉関係の部署だけでなく、鳴門市の職員全員が、鳴門市の状況をどこまで把握して、どのような行政施策を行っているのかについて、高齢者対策について、特に1人暮らしの高齢者の方への対策について、質問していきます。 この件に関連した質問として、平成19年第1回、2月定例会で、在宅老人介護について、質問しました。
また、平成19年第4回、12月定例会で、ひとり暮らしの高齢者の方々の実態、それについての鳴門市からの対応策、また、地域の各諸団体からの対応について、質問しました。
今回も重ねて、これから、益々、増加が予想されます「1人暮らしの高齢者」の方々への対策について、質問します。
鳴門市では、各地域において、「1人暮らしの高齢者」の方々について、誰が、どこまで把握、つまりは、その方々の様子を見守り、支援しているのでしょうか。 また、防犯・防災などへの対策、また、緊急の病気などへの対策、そして、ご近所の見守り支援の対策など、どのようになっているのでしょう。 そしてまた、「無縁社会」への対策を考えられているのか、どうか、質問します。
B地域自治のまちづくりについて 地域の連携について @自治振興会と町内会の関連について 自治振興会とは、町内会とは (構成員と、「会費」と、活動内容について) どのように、認識しているのか、質問します。
A地域の「ご近所力」の回復に向けて 特別に条例まで策定しなくても、ほんの少し前のご近所の様子、ご近所意識、感覚、町並み、扶助意識などを回復すれば、どうでしょうか。
B自治基本条例の内容と関連して 町内会などで構成された自治振興会が、自治基本条例の中でのまちづくりの中心的な組織・団体であるとしたら、自治振興会の位置づけ、活動内容、市からの補助金、会員からの会費について、明確にする必要があります。 このたび、平成22年6月7日、予算決算委員会の資料として「鳴門市自治基本条例」策定状況について、の提出が有りました。 目的として、「この条例は、本市における自治のあり方を明らかにし、……、市民が主役のまちづくりを実現することを目的とすること」と、あります。 ここで、『自治』とは、どのような意味で使っているのか、よく、理解できません。 私も、この質問の通告に「地域自治のまちづくりについて」と題して、自治という言葉を使っていますが、さて、この、自治とは、何たるか、明確に理解できていないのであります。 自治とは、何か、この点についても、ご答弁に含めて、自治振興会の、地域のまちづくりについて、果たす役割を明確にご答弁ください。
(意 見 要 望)A福祉行政について ご答弁としては、高齢者が、地域で安心した生活を送っていただくためには、地域包括センターの活動強化、自治振興会、社会福祉協議会、民生・児童委員、老人クラブなどの各種団体や住民の皆様のご協力が必要との事でありました。 防犯・防災から、緊急の病気への対応、そして、生活不安への相談など、あらゆる対策が必要でありますが、ご答弁は、毎度の事ながら、何とも行政的なご答弁でありました。味気のない、ご答弁でありました。
高齢者の方々は、家に閉じこもりがちでありまして、また老老介護の方もおいでます。80、85歳のお父ちゃん、お母ちゃんを、60、65歳の息子さんが見ておられる。また、家の中で2人きり。そのおじいちゃん、おばあちゃんが、腰が痛かったり、足が痛かったり、寝たきりになったり、介護でデイサービス、それからヘルパーさんのお助けもいただきますが、どうしても御近所とのおつき合いは疎遠になってきます。なお防災、防犯的なことについても、危険性が伴ってまいりますから、それに対して鳴門市はどのような手を打っているのですか、ということであります。 このような団体が、このような制度のもとで、対応しています、それは、それで、地域の連携として、とても大切なことであります。それでは、その上に、鳴門市の職員の皆さんが、どれだけ鳴門市に在住されている高齢者、お年寄り、ひとり暮らしの方、その方々について、鳴門市の職員として、鳴門市全体を自分の職場として、高齢者の方々を、どのように把握されているのですか、ということであります。 老人介護に悩む方は多いです。その中で特に厳しい状況として、朝のワイドショー的な番組に、いつも老人介護の悩みが取り上げられております。その番組の中で、介護している方が言っていました。 「本音を言いますと、時々おかしな状態になる。実の母、実の父でありながら、この介護をしておりながらおかしな精神状態になる。」と。 ちょっと言葉が過激で、これ以上の表現を言えませんけども、そういうような現実が鳴門市内にもあるかもしれません。それに対して、鳴門市としては、民生委員さん、自治振興会の方々、老人クラブの皆さんが、いろいろ対応していただいているということでありますが、それ以上に、鳴門市として、職員一人一人が、鳴門市全体を自分の職場として、我々の御近所にこういう方がおいでるから、こういうようにしています、という答弁をいただきたいのであります。 前回の質問では、当時の市長は「職員が一丸というような形で一市民の目線に立って高齢者の方々に目を配っています」とのご答弁がございました。私は、「まさにそのとおりだと思います」と同感しました。 御近所で孤独死、独居老人の方々の事件、いろいろなことがあった場合には、その地域のコミュニティーが崩壊します。3世代、4世代の触れ合いの中で地域が成り立っている。そこに学校があり病院があり、そしてスーパーがあり、昔は小売店があったんですが、そういうような町並みが一つのそういう悲惨な事件によって崩壊してしまいます。 お年寄りがこの部屋に寝ている。朝起きたらカーテンがあいている。カーテンが閉まっていたら、おかしい。どうしたんでって、朝4時でも5時でもだれかが飛び込んでいけるような地域のコミュニティー、本来、それが普通のコミュニティー、ご近所付き合いと思いますが、最近では、ピンポン鳴らして玄関に行くまでに10メートル、20メートルもあるお家も建っています。 民生委員さんや老人クラブ、自治振興会の皆さんと連携しながら、対応していく、との鳴門市の方法もよくわかりますが、やはり、鳴門市として何をするんだ、鳴門市の職員として何をするんだと。それぞれの諸団体、自治振興会や老人会などの活動への、制度の提供とか、補助金の拠出だけでなく、鳴門市の職員一人一人が高齢者の方々を思う気持ちとして、何をしなければならないんだいう職場意識、自分の机の上だけの仕事とか、自分の課の中だけでなしに、鳴門市全体が自分の職場であるという意識で、一人たりとも高齢者の方のそういう事故死並びに孤独死を起こさせないというそういう気構えを持っていただきたいのであります。 鳴門市の、地域の1人暮らしの高齢者の方々に、もっと熱い行政の視線を注いで欲しいものであります。 在宅の老人介護について申し上げますと、全国平均で、介護が必要となった高齢者の方には、介護に関して、月約4万2,000円ほどの費用が要るそうなんです。介護保険料とか医療費、通院の交通費、衣服代、寝具代、おむつ代など。 鳴門のある人で、国民年金の老齢基礎年金だけで生活されている方おいでるんですが、月額8万6,000円。その方が、その8万6,000円から介護保険料の1万4,000円引きますと7万2,000円手元に残ります。そこで、大体全国平均4万2,000円、介護に要るんですが、それを引きますと実質3万円になります。 そのような方がおいでますが、職員一人一人に、ご近所の高齢者の方々の日常生活の安全・安心を、そして生活不安感を把握していただきたいのであります。 地域の団体の活動もさることながら、職員一人一人の意識改革こそが、鳴門市を「無縁の社会」にしないパワーとなります。 今後とも、そういうようにお隣り近所では、独居老人、老老介護等をフォローできるような鳴門になりますように希望いたしまして、福祉行政についての質問を終わります。
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